冬の足音「霜柱」
北海道神宮の参道に霜柱が立っていました。 霜柱は、寒い朝に地中の水分が凍り、地表に氷の柱が形成される現象です。 地表の温度が0℃以下になると、地中の水分が毛細管現象で引き上げられ、次々と凍ることで成長します。 ただし、積雪があると地面が保温され、霜柱はできなくなります。 そのため、雪が積もる前の短い時期だけの自然の芸術といえます。 見た目の美しさはもちろん、足で踏んだときのサクサクした感触も楽しみの一つです。 ・霜柱
円山公園のヤチダモの巨木
円山公園には、見上げるほどの大きさを誇るヤチダモの巨木がそびえ立っています。樹木医の方によると、この木の幹周りは約6メートル、高さは26メートルにも達し、樹齢は約200年と推定されています。 かつて、この辺りには大きな沼が広がっていたと言われています。この木はその池畔に根を下ろし、長い年月をかけて成長してきたのでしょう。 このヤチダモは、最初に伸びた主幹が損傷したため、周囲の枝が幹のように発達し、独特でいびつな樹形を形成しています。この不規則な形状のおかげで、伐採を免れたようです。 公園の中ほどに静かに佇 ...
北海道神宮のコウヤマキ
北海道神宮の表参道と駐車場からの参道が交差する角に、美しく立つコウヤマキが植えられています。 コウヤマキは、世界三美木の一つに数えられる日本固有の貴重な針葉樹です。その名の通り、高野山を中心に本州以南に自生しており、北海道ではとても珍しい存在です。特に高野山では神聖な木として崇められ、仏教儀式や庭園の景観樹としても重要な役割を果たしています。 現在、コウヤマキは絶滅危惧種に指定されており、各地で保護活動が進められています。そのような背景を持ちながら、北海道の厳しい自然環境の中でも元気に育つその姿には、不思 ...
キタキツネの足跡?
円山公園を歩いていると、雪の上に動物の足跡を見つけました。足跡の形や一直線に並んでいる特徴から、キタキツネの足跡ではないかと思います。 キタキツネの足跡が一直線上に並ぶのは、前足が踏み固めた場所に後足を正確に置くことで、雪の中で地面への抵抗を減らし、エネルギーを効率的に使うためです。まさに厳しい冬を生き抜く知恵を感じさせますね。 こうして足跡から動物の存在を感じ取ることができるのは、冬ならではの楽しみのひとつです。 ほぼ一直線に並ぶ足跡。
金色に輝くヨーロッパカラマツ。
円山坂下球場の横には、堂々としたヨーロッパカラマツがそびえ立っています。この木も、明治時代にあった養樹園で植えられたもののようです。 ヨーロッパカラマツは、その名の通りヨーロッパ全域、特にアルプス山脈やカルパティア山脈に自生する落葉針葉樹です。冷涼な気候を好み、耐寒性が非常に高いことが特徴です。秋には金色に輝く美しい紅葉を見せ、冬になるとその針葉を落として枝のみの姿になります。 写真のヨーロッパカラマツは、周囲の景観に溶け込みながら静かに球場を見守っているかのようです。冬の雪景色の中では、その存在感が一目 ...
寒そうな常緑広葉樹「エゾユズリハ」
エゾユズリハは、北海道では珍しい常緑広葉樹のひとつです。 広葉樹が厳しい寒さの中でも葉を保ち続けるのは、簡単なことではありません。 そんな過酷な環境の中、エゾユズリハはその独特な姿で冬を乗り越えています。 観察してみると、葉を巻くように縮め、垂れ下がった姿がどこか寒そうに見えます。 これは凍え枯れる寸前の状態ではなく、低温や雪の重みに耐えるための自然な戦略です。 葉を垂れ下げることで表面積を減らし、寒風や雪のダメージを最小限に抑えています。 ユズリハも身をすくめて冬の寒さに耐えていました。 ・見をすくめる ...
裏参道を見守って134年、ヨーロッパクロマツとアカマツ
養樹園の植栽図によると、明治23年(1890年)に多くの樹種が植えられ、裏参道の左右にもヨーロッパクロマツとアカマツがこの年に植樹されたようです。 調べてみると、1890年は第一回帝国議会が開かれた歴史的な年であり、当時の札幌の人口はわずか24,327人でした。 この裏参道、現在の南1条通りは、北海道開拓使が設置された頃から札幌の主要道路と位置付けられていました。 このヨーロッパクロマツとアカマツは134年間向かい合って札幌の発展を静かに見守ってきたようです。 ・裏参を挟むヨーロッパクロマツ(中央)とアカ ...
伐採されることになったエゾハリタケを付けていたカエデ。
円山公園のエゾハリタケを付けていたカエデに、「危険木と判断されたため、利用者の安全確保のため近日中に伐採されることになりました。みなさまのご理解のほどよろしくお願いいたします。」との掲示されていました。来年も立派なきのこを付けてくれるのを楽しみにしていたのですが、樹木の老化や劣化による伐採は、自然の遷移の一つとも言えます。 樹木が市民に愛されていることに気遣い、公園管理事務所もわざわざこのような掲示をしたようです。 掲示に市民の愛着と管理者の心遣いが伝わってきました。 ・伐採されることになったカエデ
冬の訪れとシナノキの実
円山の森で、すっかり葉を落としたシナノキの枝先に揺れる実が目に留まりました。透き通るような翼にぶら下がる小さな実が、冬の澄んだ空を背景にとても印象的です。 シナノキの実は、翼状の苞(ほう)が付いており、風に乗って遠くへ運ばれる仕組みを持っています。 この姿は、自然の巧みな工夫を感じさせます。 強い冬の風を利用して次世代へ命を繋ぐため、落下のタイミングをじっと待っているようにも見えます。 実の身になって考えてみるのも自然観察の楽しみです。
斜めになった雪だるま。
円山の山頂に斜めになった、溶けかけの雪だるま。 木の枝が腕となり、笹の枯葉が飾られたその姿は、なんとも愛らしく、ほのぼのとした雰囲気を醸し出しています。 これから始まる冬をのんきに感じているようで心癒されます。 ・山頂の雪だるま