Four Seasons in Maruyama

2024/10/19

地味な愛嬌者、サビキコリ

円山の森で、シダの葉に留まるサビキコリを見かけました。サビキコリは幼虫時代、土壌の中で植物の根を食べて成長し、成虫になると日中は落ち葉や石の下に潜んでいることが多い昆虫です。雨上がりの湿った湿った天気で活動的になるようなので、葉の上に飛んできたのでしょうか。 サビキコリは天敵に近づかれると「カチッ」というクリック音を立て、一気に飛び上がる独特の逃避行動を見せることでも知られています。 外見は地味ですが、その名前、顔つき、逃避行動と愛嬌いっぱいの昆虫です。

2024/10/18

沢山のホコリタケを発見

円山の森で、たくさんのホコリタケを発見しました。この丸い袋のような姿をしたきのこは、袋の中で胞子をつくり、袋の真上にある小さな穴から胞子を飛ばして繁殖します。 ホコリタケが物理的な刺激を受けると、その穴から黒い胞子が煙のように勢いよく飛び出します。見つけた際には、きのこをそっとつついて、この胞子の「煙」を出してみるのもおすすめです。 ホコリタケは「キツネノチャブクロ(狐の茶袋)」という別名もあり、愛嬌のある名前が昔から「煙」を出す様子が親しまれてきたことを物語っています。

2024/10/17

クマゲラが細長い舌で虫を探る瞬間

今日は円山公園の森で、クマゲラに出会うことができました。 木を夢中でつつきながら、彼の長くて細い舌がちらりと見えました。 クマゲラを含むキツツキ類は、頭蓋骨の周りをぐるっと舌が回り込む独特の構造を持っています。 この舌は非常に長く、くちばしの何倍もの長さがあり、木の中に潜む虫を絡め取って捕食します。 動物たちが食物を獲得するための進化には驚かされます。 ・細い舌で虫を狙うクマゲラ ・こまめに木を移りながら虫を探していました。

2024/10/16

登山道に広がるカツラの落ち葉

昨日の風雨の影響で、円山の登山道はカツラの葉で埋め尽くされていました。黄色い落ち葉のじゅうたんが広がり、晩秋ならではの風情を感じさせます。 この時期、樹木は冬に備えて、葉から栄養分を幹や根に移動させてから葉を落とします。落ちた葉は徐々に分解され、動物や微生物の食料となり、やがて土に還元されていきます。 落ち葉も森の中で重要な役割を果たし、自然の循環を支えています。森の生態系において、落ち葉は大活躍です。 ・落ち葉に埋まった登山道 ・ミミズが元気に活躍中

2024/10/15

円山の森に雪虫が舞う

円山の森に雪虫が舞っていました。 毎年見る、冬がそこまで来ていることを感じさせる光景です。 雪虫は秋が深まると炭水化物を主成分とする蝋物質が糸状に変化した綿毛をまとった姿で飛びます。虫の種類は「トドノネオオワタムシ」、「ケヤキフシアブラムシ」など複数います。 近年は夏場の高温や生態系の乱れが原因とみられる大発生も問題となっています。 季節の風物詩は地球環境を映す鏡でもあるようです。 ・舞っていた雪虫 ・腕に留まった雪虫

2024/10/14

円山の森に見つけたイヌガヤの実

円山の森で、ひっそりと佇むイヌガヤの実が目に留まりました。ピンクがかったオレンジ色の実には静かな美しさがあります。 実は苦く中の種子は有毒なので、食べられません。 材質もカヤのように大木に育って碁盤や将棋盤などの材料にならないためイヌの名が付いています。 あまりメジャーな木ではありませんが、秋の深まりをそっと告げるこの小さな実は、円山の自然が持つ静かで深い魅力を物語っているようです。 ・イヌガヤの実

2024/10/13

冬毛への準備を進めるエゾリス

小春日和の円山公園で、白と茶がまだらに混じったエゾリスを見かけました。 どうやら冬毛への換毛が進行しているようです。 エゾリスは、秋が深まり最低気温が一桁になるこの時期、寒い冬に備えて厚い冬毛を生やし始めます。 森の動物たちも、着々と冬の寒さに向けて体を適応させていました。 ・マダラな毛のエゾリス。

2024/10/12

4つの黒紋が特徴の珍しいカメムシ「ヨツモンカメムシ」

円山の森で笹の葉にヨツモンカメムシが留まっていました。 4つの黒い斑紋が特徴的なこのカメムシは、夏の活動期には主にニレ科の樹木の上で生活しているため、見つけるのが非常に難しい昆虫です。 彼らが地上に降りてくるのは越冬準備のためで、この時期にしか目にすることができません。 昆虫たちも、冬に向けた準備を着々と進めているようです。 ・ササの葉に留まっていたヨツモンカメムシ。

2024/10/11

ボルダリングのホールドのような「モミサルノコシカケ」

円山の森で、枯木に白く丸い突起物が付いているのを見つけました。まるでボルダリングのホールドのような形をしており、調べてみるとモミサルノコシカケというキノコの一種であることがわかりました。 モミサルノコシカケは白色腐朽菌に分類されるキノコで、木を白色に変色させシイタケやナメコ、エノキタケも白色腐朽菌です。 白色腐朽菌は、分解が難しいリグニンを分解できる唯一の微生物で、地球の物質循環にとても重要な役割を果たしています。 ・枯木に付いていたモミサルノコシカケ ・ホールドしやすそうな形をしていました。

2024/10/10

ヤマガラが土の中を物色中

円山公園の森で、ヤマガラが土をほじくりながら餌を探していました。この時期、木には実がたくさんなっていますが、ヤマガラは寒くなって土の中に潜り込んだ虫も狙っているようです。 秋は豊富な食料源があり、冬に備えて栄養を蓄える重要な時期です。植物の実と土の中の虫をうまく組み合わせることで、季節に応じた賢い食生活を送っているのかもしれません。 ・土の中を物色中のヤマガラ